「ハスラーズ」
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    2020年2月9日 中洲大洋 監督:ローリン・スカファリア

    予告編から想像してた痛快なクライム・ムービー、とは少し違ったな。
    お金に踊り、踊らされた女たちの少し苦い犯罪と友情の物語。
    犯罪のしかけも案外単純。
    まぁあのお決まりの「姉妹が来たわ」で入ってくる
    ゴージャス美女たちの登場シーンは
    こりゃ、やられるわ、やられてもいいわ、
    と思うかっこよさだったけど。

    ストリッパーたちの映画ということで
    ストリップ好きの私が見逃がすわけにはいかない、と思ったわけだけど
    ストリップクラブのシステムが日本のストリップとは
    全く違うものなのね。
    ジェニファー・ロペスのゴージャスボディとポールダンスは眼福。
    50才?撮影の時はギリ40代?
    どっちにしても憧れ、尊敬、あがめたい身体。
    そして他のストリッパーたちも堂々たる姿が美しい。
    いろんな体型、民族、肌の色。
    まさにみんな違って、みんないい。
    ちゃんと自分の美しさ、セクシーさを知ってる女たち。
    女の友情という意味ではちょっと苦い後味の映画。
    お金でつながってるようにもみえるけど
    一番楽しい時代、楽しい経験を共有した仲間への思いいれってことだもの。
    それが女にとっては、
    買い物だったりゴージャスなプレゼント合戦だったりするところが
    苦さ・哀しさだったりはするけれど
    そこに何もない、とは言い切れないなぁ、私には。





    | 立石 義江 | 映画観る日々 | 12:51 | comments(0) | - | - | - |
    「パラサイト 半地下の家族」
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      2020年1月16日 中洲大洋 監督:ポン・ジュノ

      なんとも言えない匂い、と肌触り。
      韓国特有の食べ物の匂い、下水の匂い、雨の匂い、雨上がりの芝生の匂い、血の匂い。
      そして、ぞわぞわ、ざらざらとした肌触り。
      雨に濡れて張り付く衣服の感覚や、何かに背筋をかすめられたようなぞわりとした感触。
      昔、韓国の空港についたらキムチの匂いがすると言ったら
      韓国人の知人から日本の空港は味噌汁の匂いがすると返された。
      半地下の匂い、貧乏人の匂いがあるとすれば
      金持ちの匂いってのもするのだろうか。
      それはいい匂いなんだろうか?

      前評判どおり、面白い映画だった。
      前半、「え、そんなにとんとん拍子にうまくいくの?」とか
      この家族、実はそれぞれちゃんと経験や実力あるのになんであんな生活をしてたの?
      とかひっかかる部分もあった。
      でも後半、ほんとのパラサイト家族の登場に驚き、
      もうそんなんどうでもいいか、と思ったあたりに
      台湾カステラの失敗の話で急に納得がいく。
      一度失敗したものを許してくれない、はいあがらせてくれない社会。
      今の日本もそうだけど、
      お金でも権力でも、一度何かを手にした人は決して手放さない。
      逆に言うと一度失った人はずっと手にできない、格差は広がるばかり。
      だから一瞬明るい陽射しの中の家族を見せてくれるラストがよけいに絶望的で。
      決して後味のいい映画じゃないんだけどねぇ。
      これが現実。


      | 立石 義江 | 映画観る日々 | 15:26 | comments(0) | - | - | - |
      「ジョジョ・ラビット」
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        2020年1月18日 サロンシネマ 監督:タイカ・ワイティティ

        いや、参った。
        まだ1月なのに今年ベストワンクラスの映画が続くよ。
        子どもがかわいいが売りの映画かと思ったらとんでもない。
        もちろんジョジョはとてもかわいいけれど、
        かわいくて、いたいたしくて、
        それでも生きていく彼らの希望が確かにあって。

        ナチズムやホロコーストに関する映画はほんとに
        今でも絶え間なくつくられていて
        その切り口もまだまだ「こうきたかー」ってものも沢山あって。
        映画がエンタテインメントとして成立しつつ
        「歴史」を映すものであるとこがほんと豊かだなぁと思う。
        いや、邦画の表現が貧しすぎるのかもしれないな。
        特に戦争を扱うものに関しては。

        10才の少年ジョジョは
        ヒトラー親衛隊に憧れて、
        いつも心の中の「親友:ヒトラー」と会話している。
        当時のドイツの少年にとっては
        強いヒトラー、強いドイツ兵に憧れるのは当たり前のこと。
        そのジョジョが、自分の母親が自宅のかくし部屋に匿ったユダヤ人の少女と出会い、
        彼らが忌み嫌ってきたユダヤ人が悪魔のような異人種ではなく
        「人間」であり「友人」であるという
        これまた当たり前のことに気付いていく物語。

        ちょっと皮肉屋のユダヤ人少女、
        酔いちくれで人間味あふれるナチの将校、
        と彼をとりまく人物がとてもいいのだけれど
        やはり母親。
        いつも明るくて綺麗で
        正義を貫く強さがあって
        でも決して息子にそこを押し付けずに見守る優しさ。
        父と母の一人二役シーンは切なくて切なくて泣ける。
        そして彼女がいつもオシャレで美しいゆえのあの「靴」の残酷さ・・・

        この監督の色使い、衣装や小道具のセンスも大好き。
        ウェス・アンダーソンの映画に似てるな、と思った街の色合い。
        ジョジョとエルサの描く絵。
        大尉が身に着ける奇妙な衣装。
        戦争映画を暗く重く描かないユーモアとアイロニー。
        ジョジョの妄想の中ではヒトラーにさえも愛嬌を感じる。
        そして、ラストシーンの二人のダンス。
        ニヤニヤしながら目からは滂沱の涙。


        | 立石 義江 | 映画観る日々 | 14:51 | comments(0) | - | - | - |