NODA MAP「贋作・桜の森の満開の下」
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    2018年10月25日 北九州芸術劇場大ホール

    満開に花ひらいた桜の大木にしんしんと降る桜の花びら。
    大地の殻を破るように、敷き詰められた花びらから湧くように現れる赤鬼たち。
    冒頭からなんて贅沢な舞台だと思った。
    しょっぱなから既にクライマックスのような美しさ。
    頭の中にイメージした美しい画を惜しげもなく舞台に表現する贅沢さ。

    もちろん役者陣も惜しげもなく贅沢。
    深津ちゃんの圧倒的存在感は文句なしだけど
    その対照のための麦ちゃん・早寝姫の存在とか贅沢すぎる。

    美しい男、天海祐希演ずるオオアマは
    冷徹に国を滅ぼし国をつくる。
    美しい女、夜長姫は妖しく人を煽り、
    愛と憎しみを膨らませ、人を滅ぼす。
    美しい男は鬼なのか?美しい女は鬼なのか?
    人の世界の外から平和に人を羨む鬼たちの姿と比べて
    人の中に住む鬼の怖ろしさ。
    怖ろしいまでの美しさ。
    愛するものは殺すか呪うか戦うか。
    夜長姫のとろけるほど妖しく
    それでいて鋭利な刃物のような言葉。
    花吹雪舞う桜の木の下に
    人は鬼を埋めてきたんだね。
    自分がかつて愛した鬼を、自分の中に住む鬼を。
    だから満開の桜の下ではいつも心がざわつくんだね。


    | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 12:36 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    「DAIKU GASSHOW」
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      2018年9月16日 サイエンスホール

      なにげにサイエンスホールって初めて。
      というか、あの九大跡地の新しい建物に足を踏み入れるのが初めて。
      東京の郊外私鉄駅にでもありそうな
      ちょっときらきらめの商業施設&新しいホールやプラネタリウム。
      なんとなく敷居が高くて来たことなかった。
      ぼちぼちお芝居でも使われ始めたサイエンスホールには
      興味があったのでちょうどいい機会。

      安定した役者さんたちの演技に安心して泣き笑い。
      なかなかに贅沢なキャストだなぁ。
      豪華、とか言うんじゃなくて、ツボを心得た使い方。
      バンさんの華やかさ、陽子さんのキリリとした和服姿、長島さんの飄々とした味、
      福澤さんのいい人感、山口さんの頼りなさ、ささもっちゃんの飛び道具っぷり。(もちろん全部ほめてるよ)
      あぁ、この人をこう使いたかったのね、というはまり方が気持ちいい。
      何より主役を演じたSO君。
      この役者さんありきで「インターセクシャル」のお話にしたのかしら。
      ちょっと遊機械の高泉さんを思い出したわ。
      ランドセルからってのぼる君やってた頃の。
      男とか女とか大人とか子供とか全部あいまいになる感じ。
      噂通りセットもすごい。
      これも豪華と言うより演出のアイデアとスタッフ(役者?)さんの技量がぴたっと来た感じ。
      確かに福岡演劇史上に残るセットかも。

      ただねぇ、
      正直長い。盛り込みすぎ。説明しすぎ。
      LGBT的な恋愛模様も、
      インターセクシャルの慎之介君を家族が大切に守ってきた話も
      二重三重に語らなくても十分伝わる。
      いやまぁ、これも最終的には好みの問題かもしれんけど。
      姉が弟を守ってきた話にたっぷり泣き、
      父と母が悩みながら育ててきた話にまたどっぷりと泣きたい人もいるかもだけど。
      でもやっぱり大工の棟梁の下りは野暮だなぁ。
      告白からのごめんなさい。
      ってねるとんかよ!!って喩えが古くてすみません。
      とにかく全部言葉にしなくても、全部たっぷりやらなくても
      いいじゃない、という場面がいくつかあったような。
      舞台セットのすごさに目を引かれてたけど、
      照明や音響のイン・アウトの具合とか、何でここで役者さんにあかりあたってないんだろ
      とか、ちょっと気になる部分もあった。
      ホールの時間の制限とかいろいろ難しい部分もあったんだろうと推測。
      観客としては見やすいいいホールだったので
      今後また演劇で使う人が増えていって
      使い勝手もよくなっていくといいなぁ。


      | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 12:25 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
      「うろきんさ」
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        2018年9月15日 三宜楼

        「三宜楼」。
        門司港にはかつての港の栄華の象徴のような料亭があるというのは話に聴いていた。
        今は市民運動で建物を維持しながら、下関の料亭が営業しているらしいけど、
        そんなとこ自分でお金をだしていけるところではないし。
        というわけで、この三宜楼の百畳間を使ったイベントがあるというのに飛びついた。
        コンテンポラリーダンスの人と音楽と芝居のみつどもえ?
        チラシのデザインもアバンギャルド?
        ちょっと??とは思いつつも、この由緒ある場所、なんかアカデミックな感じにいくのかなと思っていた。ところがどっこい、蓋をあけたら、バッキンバッキンにとんがって、シュールな展開。
        いやぁ、この場所でこの作品をつくった方々はもちろん素敵だけど、北九州芸術劇場さん、やるなぁ。最高ですよ。

        門司港が華やかなりし頃、パナマから降り立った男と孤独な門司港の芸者が恋に落ちる。
        きっと迎えに来るという男の言葉を信じて待つ女。流れる月日。
        優美な百畳大広間で繰り広げられるパフォーマンスは美しくも激しく、何よりもシュール。
        待ち続ける女の夢か幻か。
        いつの時代もどこの街でも幾百幾千と繰り返される男と女の景色なのか。
        二人で歌う「記憶の愛おしさ」。
        ちょうどこの日は昼は下関での非売れさん観劇からのハシゴ。
        下関も門司港も、かつての歴史や映画の記憶を抱えた街。
        その記憶がその街が愛おしくてしょうがない。
        もちろん私に流れる北九州のDNAがその愛しさをいや増す。
        まるであの曲にたどり着くための一日だったな

        康本さんの小柄な身体から発せられるエネルギーの大きさよ。
        戌井さんは、最初絶対料亭の番頭さんというか、三宜楼の関係者かと思わせといての
        変貌ぶり、こう来たかぁと思ったよね。
        オオルタイチさんの言葉にならぬ唄の妖しさ、てか、あの妖しいルックス自体にやられる。
        あの手の爬虫類顔に弱いんだ、私。


        | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 10:40 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
        非売れ線系ビーナス「関門オペラ」
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          2018年9月15日 下関生涯学習センター 風のホール

          非売れさんの久々の本公演が下関でもあると聞いてから、とても楽しみにしていた。
          唐戸市場の海の幸、門司港レトロ、港町の独特の風情。
          小旅行のような素敵な観劇になるに違いない。
          っと、下関に遊びに行くことばかり楽しみにしてたわけじゃないよ。
          「平家物語」という下関でクライマックスを迎える物語を
          ちゃんとゆかりの地で観られることが素敵だなと思ったのだ。
          非売れさんは「そう遠くない」を沖縄で上演した時もだけど
          やっぱりそういう土地と物語とのつながりを大事にしてるところも
          いいなぁと思っているのでよけいにね。



          で、とても楽しい作品になってた。
          哀しく壮大な歴史物語をエンタメに。
          非売れさんの得意分野だよねぇ、なPOPな仕上がり。
          義経が兄さんと戦が好きな考えの浅い若者だったり、
          木曽義仲はオラオラ系従えた暴走族のようだったり、
          そんな暑苦しい源氏勢の中で頼朝はさすがのクールガイ(死語?)だったり、
          平家の三兄弟のゆるーい日常会話だったり、
          そこにいるのは私たちが歴史の教科書で想像していた
          「歴史上のえらい人」ではなくて、
          なまなましいくらいに人、普通のひと。
          「誰も死ぬな、生きろ!」「生きたい!」という強いメッセージ。
          そうか関門オペラは三文オペラ。
          歴史の物語ではなくて、ただひたすらに自分の時代を生きた人間たちの物語。
          ちょっと強引なハッピーエンドも、生きたい、幸せになりたい
          今も昔も変わらない、どうしようもない人の愛と業。
          オールOKではないかなと、いい気分で劇場を出られた。

          せっかくだから小旅行気分で、午前は唐戸市場・赤間神宮と下関の街を歩き
          帰りは門司港軽油。
          ほんとは壇ノ浦合戦後の碑にも行っておきたかったんだけど
          赤間神宮で雨に降りこめられて諦めて会場に向かった。
          帰り道、船で関門海峡を渡ろうとすると、振り返った下関は西陽さす晴れ模様。
          ちょうど私たちが赤間神宮にいる間だけ本降りだったよね。
          これは平家の恨みの雨?私知らないうちに源氏の血、ひいてたかしら?
          と考えてふいに思い出した。
          うちのお父ちゃん平戸出身や。松浦水軍や。
          最後の最後に源氏の味方したから平家にうらまれてるんや。
          そう言えば今年の春家族で下関行った時も荒天やったもんなぁ。

          | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 23:54 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
          PUYEY「一般ヒーロー」
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            2018年9月8日 カフェカウサ

            なんか久しぶりに気持ちよーく心から笑ったなぁ。
            いや、別に辛いことがあって最近笑ってなかった、とかじゃないんだけど。
            童心に帰った笑いというのかしら。
            芝居終わった後の余韻もすがすがしい。

            主役は「さかな急便」のドライバー。
            おなじみのブルーのボーダーのユニフォームで
            雨の日にも階段にもひるまず働く善良な青年。
            重い荷物は家の中まで運び入れたり、
            足元のゴミを拾ったり、小さな心遣いも忘れない。
            「こどもごころ」って明るく前向きなものとばかりは限らない。
            忘れられない後悔やヒーローになりたい願望と裏返しの自己否定。
            彼の小さな葛藤が生んだ小さな怪物は
            もしかしたら彼の「こどもごころ」そのもの。
            ピュアな分だけどちらにも染められる
            小さくいとおしい心そのものなのかも知れない。

            子ども達といっしょに観たいなぁと思った。
            子ども向けのお話、とかいう意味ではなくて。
            絵本のように大人も子どもも楽しめるなぁと思ったのと
            この作品を子どもの笑い声と共に観劇できたら素敵だなぁと思ったから。

            PUYEYは二人ユニット。
            ミニマムな小道具、衣装や登場の仕方でキャラクターを使い分ける工夫。
            いや、実際あの衣装の使い方は笑ったわ。
            二人で二人以上の働きをする作り方で
            全国各地にえい!っと飛んでいこうという心意気も素敵。
            応援する気持ちでサコッシュを買って、
            顔ハメパネルでまっすぃーと一緒に写真も撮った。
            ヒョロっとして、中学生ながら飄々としたところのあった
            まっすぃーはごつい青年になり、
            その身体をフルに動かして、
            ほんとになんちゃら急便のお兄さんばりに汗をかいて。
            ケチャは楽しそうに、ほんとに楽しそうに
            早変わりをこなし(笑)。
            個人的な思いも含めて幸せな時間だったなぁ。
            ほんとに気持ちよーく笑ったなぁ。

            | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 12:28 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
            あひるなんちゃら「スカイスクレイパー」
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              2018年7月7日 冷泉荘


              ちょうどいいサイズの二人芝居。
              役者二人で地方にも持っていきやすい、とか
              冷泉荘くらいの広さにちょうどいい、とか
              上演時間もほどよい、とか
              たくさん笑ってちょっとぐっときて、とか、
              とにかくいろんな意味でちょうどいい(笑)。

              スカイスクレイパーは男女二人のまだまだ売れない漫才コンビ。
              ボケ担当、というよりも天然ボケキャラの
              鈴木さんがある日ネタの途中に突然、
              「宇宙エレベーターに乗って宇宙へ行きたい」と言いだして・・・
              相方の堀くんは大慌て。
              もちろんネタはめちゃくちゃ。コンビは出番を失い解散の危機。
              必死になる堀くんとマイペースな鈴木さん。
              もうその二人の素の会話が漫才そのもの。
              てか、意図せずしてボケてしまう鈴木さんすごい。
              そして、素の会話であろうと、自分自身がいじられようと
              つっこまずにはいられない堀君もすごい。
              多分お笑いでも芝居でも同じなんだろうな。
              笑いにまぎらかしたり、時にディスったりしながらも
              どこかで相手や作品に対する愛やリスペクトがなければ成り立たない。
              いや、愛やリスペクトなんてそのまま言葉にしたって決して面白いもんじゃないから、
              お笑いや芝居を通してやらないと照れくさくてしょうがないから。
              そのツンデレ具合もちょうどいい。

              前半はなつかしい福岡で活動していた時代の「あひる実験室」の前説の再現。
              というか長い長い前説だな。
              仁さんはこのために北海道から手弁当でかけつけてくれたそう。
              まさにツンデレな人たちが繰り広げる
              ゆるく心地いい時間でした。



              | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 12:38 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
              劇団鹿殺しライブビューイング「オレの骨をあげる」
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                2018年8月19日 イオンシネマ福岡

                すごいなぁ、鹿殺し。
                しばらく福岡に来てくれないのでチェックしていなかったら
                いつの間にか、サンシャイン劇場での本公演、
                全国ライブビューイングまでやるようになってる。
                とは言え、私自身もこのライブビューイングの情報を知ったのはけっこうぎりぎり。
                芝居と違ってフライヤー等がでまわるわけでなし、
                福岡での開催場所はイオンシネマ福岡とけっして便利な場所でなし、
                なんだかちょっと心配になって、これは行かねばなるまいという気になった。
                何しろ、動機がそんなんだから、前情報はほとんどいれてなかったんだよねー。
                いや、映画も芝居もあまり前情報入れずに見るほうが好きなのは確かなんだけど。

                病院で自分の臨終の瞬間を見ている女、からしまたえ。
                三途の川では彼女を主役にしたコンサートが開かれようとしていた。
                彼女の生きてきた足跡を彼女自身が歌いあげるコンサート。
                バックダンサーとして踊る骨ダンサーズの衣装、かっこいい!
                と思ったとたんに、ん?でもなんかみたことあるぞと思った。
                そうか、これ、西鉄ホールで観た作品の再演なんだ。
                2013年の春「BONE SONGS」というタイトル。
                いや、別に再演で知ってる話だったら見ないってことではないし、
                結末とかディテイルとかそんなに覚えてはないんだけど
                ちょっとだけしまったと思った。
                私はこのたえという女が好きじゃないのだ。
                なんかむかつくのだ。

                弱小プロレス団体の社長だった父。
                宝塚のスターだった母は、受け身がとりえな地味なプロレスラーの父に恋をし
                たえを授かるが、きゃしやな身体での出産に耐えられず
                たえの誕生と同時に亡くなってしまう。
                生まれながらに不幸を背負ったたえは
                学校でもいじめられ、友達と言えば父の後輩や
                父が連れてきてくれた二人の女の子だけ。
                故障の多い父にかわって、自分は主役になろうとがんばるたえ。
                女の子3人のレビューごっこに卓球、そしてバンドと
                次々と才能を開花させては、いつも頂点にはたてないたえを
                「えたましらか王国」の願いの強さと
                たえを愛し、たえの骨となった男達が支える・・・

                演出の菜月チョビさん、でずっぱり、うたいっぱなしで
                小さな身体から発せられるエネルギーがすさまじい。
                たえはチョビさんそのものの姿なのだろう。
                九州から大阪・東京とそのステージを大きくしながら
                まっしぐらに進んでいく姿は
                愛さずにいられない、支えずにはいられない、
                そんな存在なのだろう。
                たえに共感できないのは
                たえが自分のエゴを認めない、というか自覚してないところだ。
                たえの願う力の強さはエゴの強さ。
                なのにいつもたえは、自分は不幸・不運という顔をして
                「お父ちゃんのため」「あゆむのため」と自分の気持ちをすりかえる。
                いいじゃないか、己のエゴで、と思ってしまう。
                そうなると、自分をささえる「骨」になる男達、
                タイトルの由来そのものがぼやけてしまうってことかしら?
                もちろん、チョビさんのことが嫌いなわけでもなければ
                この作品が面白くなかったわけでもないよ。
                あのロックミュージカルとしてのできもいいと思うし
                チョビさんの歌はとっても魅力的。
                東京まで追っかけていくのはムリだけど
                ライブビューイングならこの値段でもまた行くかなぁ。
                できれば、ユナイテッドあたりでやってほしいけど。

                | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 12:29 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
                Nakashima group「鼻」
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                  2018年8月9日 KONYAギャラリー

                  女優3人が喋り動き語る。
                  もとのテキストの面白さ・シュールさが女優の身体を通して見え隠れするような
                  いや、簡単には見えないぞ、な不思議な世界。
                  いいテキストは耳にもここちよいなぁ。
                  もちろんリズミカルな語りもあってこその心地よさ。
                  前回公演「変身」を観た時にも思ったけど、
                  つくる過程を覗き見してみたい。
                  テキストをばらしたりくっつけたり、
                  動きのつけられるところを探ったり。
                  とにかく前回公演が衝撃的に面白かったので
                  期待のハードルを無茶苦茶高く初日に観劇。
                  やっぱり面白かったので、バンバン宣伝してやろうと思っていたら
                  既に売り切れ回も多数。
                  納得の人気ぶりでした。
                  贅沢を言えば舞ちゃんにもっと暴れてほしかったかな。
                  もっと身体動くでしょ(笑)?
                  と、シュール系のテキストで前回と似た雰囲気になってしまう部分もあり。
                  でも、とても面白いシリーズになりそうなので
                  次回もハードルあげあげで観にいきます!

                  | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 12:28 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                  「最強の一人芝居フェスティバル INDEPENDET'FUK'」
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                    2018年7月22日 ぽんプラザホール

                    福岡でもこのの一人芝居フェスが開催されるようになってもう何年になるだろう。
                    今年は久しぶりに2ブロック通しで観られたけれど
                    正直、なかなか招聘作品と九州勢との差は埋まらないなぁと思った。
                    だからと言って「自分がやってみろよ」と言われたら困るけど。
                    落語を始めて、
                    落語の語り方みたいなものに少しは慣れたかなぁと思っているところなので、
                    一人芝居の作り方との違いみたいなものを考えると
                    正直「私にはできんなぁ」と思う。
                    だからチャレンジする方々のことは素直にリスペクトはしております。

                    落語っておしゃべりだから。
                    たとえ舞台の上からでもしゃべりかけるとお客さんはたいてい
                    反応してくれるし、聞いてくれる。
                    一人芝居はやっぱりお芝居。
                    舞台と観客との間には一線ひいてあるから、
                    ただ舞台の上で何かを提示したからと言って応えてくれる、見てくれるとは限らない。
                    なめらかな語り、きれいな動きだけでは
                    一人で30分もたすことはできないんじゃないかなぁ。
                    だから、お話に仕掛けがあったり、
                    ツカミに観客を驚かせたり、
                    肉体的に強いものがあったり、
                    ちょっとハッタリかますような要素もないと辛いなぁなんてことを感じた。
                    今回の二つのブロックは、意図的にか偶然にかはわからないけれど、
                    見えない相手(幽霊とか手紙の相手とか)を想定した語り系と
                    自分の肉体を使って見せる系とに分かれてた感じ。
                    「幽霊」ってのは一人芝居の相棒としては最適なんでしょうねぇ。
                    目に見えないことが当たり前だから。
                    幽霊だけにやっぱりちょっと観客を脅かすくらいのツカミのあった
                    「一人だけ芝居」は面白かった。
                    やっぱりインパクトのある構成は大事だなと。
                    あの奇天烈な念仏をもっと早くに出してきたらもう少し違ったかな、とか。
                    ジュディオングで綺麗に終わったけど、いきなり自分でジュディ歌いだすくらいのインパクト欲しかったなとかね。
                    肉体系は、やっぱり役者の強い身体ありき、
                    「オレを見ろ」なオーラがでてるもの勝ちやなと。
                    そういう意味ではテシマ君は健闘してたんじゃないかしら。
                    正直、ギャグはいただけなかったけど、
                    あの身体で舞台の上で動けば目が離せないものはあるなと。
                    ただ、そのあとのイトウワカナさんの走りがすばらしすぎた。
                    女の一生、とまではいかないけれど
                    女性の生き様と長距離走。
                    幸せなゴールなんてあってもなくても、
                    走り続ける彼女の力強さは感動もの。

                    | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 12:15 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                    「Fly Again」
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                      2018年8月2日 博多座

                      「市民演劇」というジャンルになるのかしら?
                      いや、そのジャンルを超える圧巻の総勢138人のダンスシーン。
                      私はとってもらった席がよすぎて、後方のダンサーさんがあまり見えなかったのだけど
                      それが残念になるくらい、みんながちゃんと踊ってて、みんながちゃんとコンドルズっぽい(笑)。
                      ありがちな、「大人から子供までようがんばっとうねー」みたいなレベルは超えてたと思う。
                      お芝居パートもよくできていて、よくできてる故に後半で複数のエピソードが絡んでくることとか
                      期待しちゃったけど、まぁその辺りは、作家が二人いることとか、大人数の現場の作り方とか
                      いろいろあるんだろうなぁ。
                      近藤さんが博多座のステージでソロで踊ってる!とか、
                      杉山英美とぎたろーが一瞬ながら共演してる!とか
                      個人的にぐっとくるポイントは数々あれど、
                      何よりもぐっとくるのは博多座さんのこの企画そのもの。
                      よくぞホークスを、コンドルズを巻き込んでくれた。
                      よくぞこれだけの福岡の人を巻き込んでくれた。
                      福岡愛とホークス愛をたっぷりとつめこんだ作品。
                      あの点数はあり得ないとしても、福岡の人なら
                      勝っても負けてもホークスを諦めずに応援し続けるやろうなと
                      なんか納得してしまうところがいいよね。
                      福岡でお芝居を続けてきた人達もたくさんの愛とエールをうけとったと思う。
                      これからダンスや芝居をやりたいと思う子供たちにも。
                      あの拍手と手拍子はきっとあなたの支えになるよ。

                      ちょっとだけ気になったのは、
                      女性の年齢や容姿に関するネタや女性同志の戦いの図が若干多いかなと思ったところ。
                      喫煙室のエピソードのきっかけも、実況席のアイドルの戦いも、ハニーズネタも
                      ぜーんぶ似たような構図の女性同志の年齢と容姿をネタにした戦い。
                      ばあやのさとううめこさんも、ともながマネージャーも
                      理不尽に若い女性たちにバカにされてるし。
                      こういう現場は、どうしても女性が多いだろうし、
                      女性キャストをたくさん使うためにこうなったってところかなぁ。
                      娯楽作品として笑いをひきだすネタのひとつだもの、
                      女性差別だとかガチガチに言うつもりはないけど、
                      「へー、ふーん、こういう引き出し?」とは思ったよ。
                      ハニーズ楽屋が突然ホラーぽくなったり、
                      実況席のアイドルが万引き演技で逆転を狙うってのは
                      ちょっとつきぬけてて面白かったので
                      そういう落としどころがあるかどうか次第でもあるんだろうな。
                      だって「Fly AGAIN」なんでしょう?
                      年齢そのものは絶対に逆転できないんだから、
                      そこただの笑いのネタにして拾ってあげないのは、ちょっとねと思っちゃった。
                      しかも、ラストは実際の作家・プロデューサーらが、
                      この話のスタートへ戻る形でおいしいところを持っていく。
                      いや、おいしいところを持っていくのは別にいいんだけど
                      女性の話がああいう感じで、ラストがその話をつくった男達のちょっといい話で終わって・・・って考えようによってはいやらしいよね。
                      いや、私のヒネ過ぎ、考え過ぎだとは重々承知です。


                      | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 12:20 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |