「メッセージ」
0
    2017年6月25日 ユナイテッドシネマキャナルシティ13 監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ

    目から鱗だったな。
    自分の思い込みやイメージが次々とくつがえされていく。
    しかもその過程がなぜだか心地よい。
    宇宙人と言えば侵略してくるものだ、と思えば
    そこには穏やかに交流していく過程。
    言語学者の仕事は机上で文献を解読するものではなく
    まるで「新しい言葉」を共につくっていくような
    コミュニケーションの積み重ねの解読作業。
    そして、宇宙人もののSFだと思っていたら
    時間ものだったという見事な着地点。
    大技というより、緻密な技の積み重ねの詰まった美しいフィニッシュでした。

    宇宙人=ヘプタポッドを受け入れるところからコミュニケーションを図ろうとする
    言語学者エイミー・アダムスはとても「母」的な感じがして
    それがあのフラッシュバックとも重なって
    見事にだまされて(?)しまった。
    そして彼女の強さがとても素敵。
    時間を超えたメッセージを受けてしまった彼女が
    それでも未来へと踏み出す姿がとても美しかった。


    | 立石 義江 | 映画観る日々 | 12:55 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    「アトミック・ブロンド」
    0
      2017年10月29日 ユナイテッドシネマキャナルシティ13 監督:デヴィッド・リーチ

      しまったなー。
      いろいろ考えずに痛快なハリウッド映画を観たい気分で選んだのに。
      いや、とことん肉弾戦のアクションはすごいし、
      シャーリーズ・セロンは美しいし、
      確かに痛快なんだけど
      スパイものってことをすっかり忘れてた。
      スパイものが嫌いなわけではないけれど
      結構頭使うじゃない?
      どことどこが敵と味方とか、でも本当はこいつはこっちの味方でとか
      すぐにこんがらがってわからなくなる。
      しかも、ドイツ人やロシア人の名前がからむとまたわからなくなる。
      海外の小説読む時に、名前がわからなくなって何度も冒頭の主要な登場人物を解説したページに戻らないといけない気分。
      しかも映画だから戻れないし。
      前半、頭働かせずにのほほんと観ていたおかげで
      中盤、どれが誰のどういう策略なんだかついていけなくなる。
      それでも終盤は、まぁお決まりのどんでん返しで
      そうよね、まぁこういうオチがつくわよね、ってなぜか納得させられてしまうんだけど。
      冒頭からのシャーリーズ・セロンの美しい背中と
      80年代の懐かしい音楽がかっこよく響くからよし、なんだけどね。

      | 立石 義江 | 映画観る日々 | 23:16 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
      「怪物はささやく」
      0
        2017年6月15日 KBCシネマ 監督: J・A・バヨナ

        13歳の少年コナーは毎夜悪夢にうなされている。
        庭のイチイの木が怪物となって、夢に現れ、
        3つの物語を聞かせるから4つめはお前が語れという。
        夢はやがて彼の現実、
        学校ではいじめられ、ママはガンに侵され、パパは外国で新しい生活を送り、
        おばあちゃんとはそりがあわない、にまで浸食してくる。
        追い詰められたコナーが語る4つめの物語とは・・・

        イギリスの作家のベストセラーを
        スペインの監督が、アメリカの技術を使って映画化。
        私が期待したのは「ブランカ・ニエベス」みたいな
        スペインらしいダークで美しい映像。
        実際、怪物の語る物語として挿入される水彩アニメが
        夢のように美しい。いや、確かに夢なんだけど。

        ただエンディングロールでかかるテーマ曲みたいなのがいただけない。
        ごていねいに歌詞の字幕までつけてくれて。
        妙にPOPな曲と歌詞。
        今まで見ていたのはアメリカの青春映画かと錯覚したよ。



        | 立石 義江 | 映画観る日々 | 11:11 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
        「あぁ荒野 後編」
        0
          2017年10月23日 中洲大洋 監督:岸善幸

          私にはボクシングというスポーツがわからない。
          なにを好きこのんで殴り合いをして痛い思いをするのか皆目わからない。
          それでもこの作品の前編で
          ボクシングに出会い、のめりこみ、ぐんぐん強くなっていく
          新二と健二の姿を素直にかっこいいと思った。
          「生きる」こととボクシングが切り離せなくなってしまった二人。
          ボクシングジムの片目やトレーナーの馬場にとっても同じことだろう。
          全くジャンルは違えどその思いは理解できる。
          でもやっぱり、この映画のクライマックスの二つの壮絶な試合は
          怖いものを指の隙間から覗き見るような気持ちで
          なんともいたたまれなかった。
          いや、そのいたたまれなさがこの作品の芯なのだと思うけど。
          男も女も皆孤独で、それぞれの孤独は同じではなくて
          だから簡単に「つながる」ことなどできなくて。
          相手と闘いながら、そのむき出しの孤独とも真っ向から闘い続ける
          新二と健二の姿がいたたまれない。
          自らの中に孤独を受けいれる女たちの姿がいたたまれない。
          1966年に東京オリンピック後の世界として描かれた原作が
          2020年の東京オリンピック後という近い将来の設定に
          うまく置き換えられていたのが秀逸だし、これまたいたたまれなかった。
          未来に希望を持てない時代がすぐそこに来ている・・・


          | 立石 義江 | 映画観る日々 | 23:58 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
          「くー嶺街少年殺人事件」
          0
            2017年6月13日 KBCシネマ 監督:エドワード・ヤン

            いやー、長い。やっぱ長いよ。
            4時間休憩なしの映画って。
            途中でトイレ行きたくなったらどうしよう、とか
            よけいな心配ばかりしちゃうしさ。
            日本での公開時は3時間にカットされた映画だったらしいが
            むしろそっちが見たかったかも。
            台湾の歴史的背景、移住してきた家族の微妙な立ち位置や
            揺れる時代を描くのに必要な時間ということなんだろうけど。


            光と影の映画。
            暗い映画スタジオや教室を照らす懐中電灯のひと筋の光。
            教会で弟を待つ姉を包む教会のうす暗い空間とその外に広がる鮮やかな緑。
            暗闇の中での襲撃事件。
            そして、不安定な時代に思春期を過ごす少年少女の心の中の光と影も。
            シャオ・スーにとって少女シャオ・ミンは光だっただろうし
            自分も彼女にとっての光でいたかったのだろうな。
            その気持ちを暴力でしかあらわせない少年の心の闇。
            あっけないくらいに無残なラストが夕闇の台湾の景色とともに
            暗く広がる。

            あ、タイトルは文字化けしたのでしかたなく、です。

            | 立石 義江 | 映画観る日々 | 11:14 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
            「あぁ荒野 前編」
            0
              2017年10月15日 中洲大洋 監督:岸善幸

              息もつかせぬ2時間半。
              ちっとも長いと感じなかったな。
              てか2時間半あってもさらに後編もあるのかーってことが
              ちっともイヤじゃなくて、早く早く続きがみたい。
              正直、前後編になってる映画はあんまり好きじゃない。
              前編のあと時間がたっていろいろ忘れちゃうじゃん、とか
              前編がイマイチだったとしても後編観なきゃいけない気持ちになるじゃん、とか。
              実際「64」はもっと短い間隔で後編を観たかったし
              「寄生獣」は観なきゃいけないかなーと思いながら結局後編観なかったし。
              スターウォーズやハリーポッターみたいなシリーズものにも
              あまりはまったことはないし。
              いや、初めてじゃないかな。こんなに続きがみたい映画は。

              お話のおもしろさ。
              キャラクターの魅力と役者のよさの一致。
              60年代と近未来の時代背景の不思議なシンクロ感。
              どこから見ても面白い。
              原作は未読だけど、どちらかと舞台の人に思っていた寺山修二の世界。
              ボクシングやセックスのシーンは映像からでも
              生身の人間の熱が伝わってくるところがたまらない。
              菅田君びいきの私としては
              「帝一の國」も「銀魂」も観たけど、やっぱり菅田君はこうじゃなくちゃ、
              という暴れん坊で色気あふれる彼を観られたのも至福。
              意外にもユースケ・サンタマリアの片目にもちょっと萌える(笑)。


              | 立石 義江 | 映画観る日々 | 23:15 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
              「銀魂」
              0
                2017年8月8日 t-joy博多 監督:福田雄一

                いやぁ、ありえん設定におバカでとがったキャラ。
                ○マトからガ○ダムからナウ○カと、節操なく
                人のふんどしで相撲をとりまくる。
                まるでマンガ、マンガ。。。
                って漫画原作だもの当たり前か。

                漫画原作の制服映画がはびこる邦画には
                あまり期待していないのだが
                夏休み映画としてノーテンキに観るにはあり、ではなかろうか。
                原作のキャラ設定とかまるで知らなくても
                楽しめるようにはなってたし、
                少年漫画原作なのにイケメン目当ての女性も集められそうだし。
                菅田君大好き、なのはいつも通りだけど
                今回は柳樂君、岡田君のバカかっこよさ、
                勘九郎君の肉体美、というか露出っぷりと
                なかなかの眼福。
                天人のビジュアルとか妙にチープなのは
                狙ってのことなんだろうけど
                長澤まさみ演じる妙の衣装があまりに安易なのが気になった。
                色も柄も素材も、時代感もなければアレンジした形跡もなし。
                着物の中に「つなぎ」とか「ジャージ」とか
                現代のモチーフをアレンジした他の衣装に比べ
                その辺の呉服屋さんに売ってた附下をそのまま着せました的な着物。
                天下の長澤まさみに着せるには手抜きに見えたなぁ。
                少年漫画なんで、原作でもあんな感じの着物着てるんだろうなぁ。

                | 立石 義江 | 映画観る日々 | 21:56 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                「ありがとう、トニ・エルドマン」
                0
                  2017年8月1日 KBCシネマ 監督:マーレン・アーデ

                  いたい。
                  いたくて見ていられないというのが正直な感想。

                  家族、特に父親との距離感ってほんとに微妙で
                  前半、仕事中心の生活を送る娘と父のすれ違いや
                  会話が続かない気まずい空気が痛すぎて。
                  後半、トニ・エルドマンというおかしなキャラクターになって
                  再登場する父。
                  これがまたちょっと笑えなくて。
                  彼女の歌と、ネイキッド・パーティーで
                  ぐぐっと持ち直したものの
                  なんとなく消化不良のまま終わってしまった。
                  もともとの家族との距離感が欧米と日本では違うからかな。
                  職場に親がやって来るなんて信じられない、という考えが先に立ってしまって。
                  まぁ、親が遊びに来ていようが、病気だろうが、仕事優先が当たり前
                  という日本の感覚のほうがおかしいんだと思うけど。
                  やっぱり私自身の家族との距離感覚の不安定さゆえかな。
                  じわりと笑えて、じわりと沁みてくるいい映画なのだと思うけど
                  その前にいたくて正面から見ていられなかったよ。



                  | 立石 義江 | 映画観る日々 | 08:47 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                  「暗くなるまでこの恋を」
                  0
                    2017年6月23日 フランス映画祭in西鉄ホール 監督:フランソワ・トリュフォー

                    あぁ、美しいって罪ね。
                    てか、あの完璧な美しさがなければあの犯罪もこの映画も成立しない。
                    とばかりに、ドヌーヴがくそビッチぶりを発揮する映画。
                    出会いの瞬間から、あんなバレバレな嘘をつかれ
                    それでもオールOKなジャン・ポール・ベルモンドのデレデレ顔に
                    初めは「顔か?顔がよければいいのか?」と
                    ツッコミながら観ていた私も
                    もう途中から、
                    ベルモンドに感情移入しまくり。
                    うん、うん、しょうがないよね。
                    美しいんだもの、好きなんだもの。

                    濡れ場でもない、何でもないシーンでさらっと脱いじゃう
                    ドヌーブに驚き。
                    てか、サービスショットなんだろうな。
                    着替える必然の全くないところで
                    さらっと着替えておっぱいだしちゃう。
                    車の中で突然着替えるシーンとかもう笑っちゃったよ。


                    | 立石 義江 | 映画観る日々 | 20:46 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                    「帝一の國」
                    0
                      2017年5月19日 ユナイテッドシネマキャナルシティ13 監督:永井聡

                      ある名門校の生徒会選挙を通して
                      現在の政治への風刺がうんぬんかんぬん、なんてこと考えず
                      マンガ感覚で笑いながら観るのが吉なんでしょうな。
                      イマドキのイケメン俳優が勢揃いで
                      キャラクターもかなりとがってる。
                      そういう自分も正直菅田君目当てで観たわけで、
                      目の保養でガハガハ笑って満足しましたよ。
                      菅田君はおバカやらせても達者な子だし、
                      剛太郎さんが締めるとこ締めてくれるし。
                      ちょっとツッコミいれたいとしたら
                      結局彼女の美美子にやっつけてもらった宿敵菊馬を
                      自分がやったと思い込んでるとこかしら。
                      かわいくか弱げに見えた女子が実は強い!ってのは
                      少年マンガによくあるパターンだろうけど、
                      そこは、ちゃんと女子の力を借りたことを自覚した上で先へ進まないとさ、
                      なんてぇのは、少年マンガの部外者発言なんだろうね。
                      だって、帝一君、政治家になるんでしょ。
                      自分の実力をわかって、ちゃんと他人の力を借りられる男にならないと。
                      何でも自分の手柄と勘違いしてるとろくな政治家にならねーぞ。
                      って、だから今の政治と重ねてみるよな映画じゃないんだって。

                      | 立石 義江 | 映画観る日々 | 12:39 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |