「よこがお」
0
    2019年7月30日 KBCシネマ 監督:深田晃司

    映画の宣伝コピーには「サスペンス」「復讐」という言葉が並ぶので
    主人公の市子がどんな復讐をしようとしているのかはすぐに察しはつく。
    しかも復讐の仕方がちょっと短絡的というかあさはかなんだよなぁ。
    男の人はこれを観て
    「女ってなんて怖ろしい復讐をするんだろう、こわすぎる・・・」
    と思うのか
    「しょせん、女の考える復讐ってあさはかなもんだよ」と思うのか
    どちらにしても、男の人の考えた女性像な気がして
    ちょっと萎える気持ちもあった。

    でもね、人の心理こそサスペンスという意味でいえば
    とてつもなく深く複雑なサスペンス。
    むしろ、こんなあさはかな復讐をする女が
    どんな風に堕ちていき、どんな計画をたてるか、とか
    どんな思いで妹の死やその息子のことを観ているかを抱えているかを考えると
    わざとこんなあさはかな復讐をさせたのかなぁとも思う。
    市子に友情や好意、以上の思いをよせる基子がどんな気持ちで彼女を陥れ
    どんな気持ちで憧れの彼女と同じ介護の仕事についたのか。
    誘拐事件を起こした市子の甥っ子がどんな動機で事件を起こし、
    母を亡くしたあとどんな気持ちで市子と暮らし始めたのか。
    何もかもが謎で理解しがたいのに
    カメラが映し出しふとした彼らの表情にいろんな思いをくみとってしまう。
    もちろんそれは全部、スクリーンのこちらからの想像。
    市子の夢とも妄想ともしれぬシーンも含めて
    人の心の中の迷路をたどったような気分で映画を観終えた。

    舞台ファン、かつての第三舞台ファンにとっては、
    最近の筒井さんの活躍は嬉しいかぎり。
    「淵に立つ」の時よりもさらに美しく、さらに深く「女」。



    | 立石 義江 | 映画観る日々 | 01:21 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    スポンサーサイト
    0
      | スポンサードリンク | - | 01:21 | - | - | - | - |









      http://giedaaa.jugem.jp/trackback/1257