「ジョジョ・ラビット」
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    2020年1月18日 サロンシネマ 監督:タイカ・ワイティティ

    いや、参った。
    まだ1月なのに今年ベストワンクラスの映画が続くよ。
    子どもがかわいいが売りの映画かと思ったらとんでもない。
    もちろんジョジョはとてもかわいいけれど、
    かわいくて、いたいたしくて、
    それでも生きていく彼らの希望が確かにあって。

    ナチズムやホロコーストに関する映画はほんとに
    今でも絶え間なくつくられていて
    その切り口もまだまだ「こうきたかー」ってものも沢山あって。
    映画がエンタテインメントとして成立しつつ
    「歴史」を映すものであるとこがほんと豊かだなぁと思う。
    いや、邦画の表現が貧しすぎるのかもしれないな。
    特に戦争を扱うものに関しては。

    10才の少年ジョジョは
    ヒトラー親衛隊に憧れて、
    いつも心の中の「親友:ヒトラー」と会話している。
    当時のドイツの少年にとっては
    強いヒトラー、強いドイツ兵に憧れるのは当たり前のこと。
    そのジョジョが、自分の母親が自宅のかくし部屋に匿ったユダヤ人の少女と出会い、
    彼らが忌み嫌ってきたユダヤ人が悪魔のような異人種ではなく
    「人間」であり「友人」であるという
    これまた当たり前のことに気付いていく物語。

    ちょっと皮肉屋のユダヤ人少女、
    酔いちくれで人間味あふれるナチの将校、
    と彼をとりまく人物がとてもいいのだけれど
    やはり母親。
    いつも明るくて綺麗で
    正義を貫く強さがあって
    でも決して息子にそこを押し付けずに見守る優しさ。
    父と母の一人二役シーンは切なくて切なくて泣ける。
    そして彼女がいつもオシャレで美しいゆえのあの「靴」の残酷さ・・・

    この監督の色使い、衣装や小道具のセンスも大好き。
    ウェス・アンダーソンの映画に似てるな、と思った街の色合い。
    ジョジョとエルサの描く絵。
    大尉が身に着ける奇妙な衣装。
    戦争映画を暗く重く描かないユーモアとアイロニー。
    ジョジョの妄想の中ではヒトラーにさえも愛嬌を感じる。
    そして、ラストシーンの二人のダンス。
    ニヤニヤしながら目からは滂沱の涙。


    | 立石 義江 | 映画観る日々 | 14:51 | comments(0) | - | - | - |
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