うけとめる
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    熊本の話題はまだ終わりではない。
    落語会の翌日、午前中はお泊りできた私と春吉ちゃん
    ホットブラザーズちゅり夫妻と共に近くの温泉施設へ。
    前の晩飲んで語って、服のままぶっ倒れるように眠った身体に
    あふれるお湯が優しい。
    たっぷりしたお湯につかる、ただそれだけのこと
    日常の暮らしの中で当たり前のこと
    それがこんなにも嬉しく身に染みる。
    災害で「日常」を失くしてしまうことがどういうことなのか・・・

    午後からはゼロソーの松岡さん、吉丸さんと合流して近くの避難所へ。
    小学校の体育館。
    あと4日で閉鎖され、近くのもう少し大きな避難所へと統合されるらしい。
    新しい環境への不安を語る男性。
    アパート探しへ前向きな姿勢のご婦人。
    体育館の舞台に積み上げられた食料や水。
    物資はいろいろあるけどカップラーメンの段ボール箱が並ぶ姿はやはり味気ない。
    段ボールで囲われた小さな部屋をせいいっぱい自分のスペースとして
    それぞれの工夫が見える避難所の様子。
    2年という仮説住宅の期限の話。
    短い時間ではあったけど、足を運んで初めて知る被災地の今。



    さらに車を走らせて益城、西原村方面へと。
    健軍の街でもぐにゃりと曲がったアーケードの柱や
    建物に貼られた赤や黄色の検査の張り紙など見ていたけれど
    ほんの数分車を走らせただけでさらに生々しい風景が広がる。
    2階がまるごと1階の上につぶれ落ちてきたようにぺしゃんこの家。
    大きく斜めに傾いたまま危うく立っている建物。
    つぶれたガレキの中にそのまま埋まりこんだ車。
    ガラスが割れ壁が崩れ、むき出しになった家の中には家財道具がそのままで、
    普段の生活が突然こんな姿になる恐ろしさがせまる。
    もともとのおうちのつくりなのか、地盤の違いなのか
    お隣同士でも全然崩れ方が違っているのが、また怖い。
    何度もこの道を通っているはずの二人でさえちょっと驚くほど
    時間経過とここしばらくの雨で、状態はさらに悪くなっているよう。
    私のこんな言葉より、写真のほうが一目で現状を伝えてくれるんだろうけど
    どうしても写真が撮れなかった。
    個人のおうちだし、ってのもあるけど、何というか、怖かったのだ。
    何が怖かったのかうまく説明はできないけれど。

    うけとめなければ、と思った。
    自分たちは芝居なんぞやっているもので、つい「発信」ばかりしようとする。
    今回、熊本で落語をやって、熊本の演劇人たちの活動を間近で見せてもらって
    「うけとめる」ことについてたくさん考えた。
    まずはこの事実を「うけとめて」、そこからやれることをひとつずつ。
    「うけとめた」以上は、裏切らないように丁寧に。
    被災地の支援の話でもあり、芝居の話でもあり。

    とにかく、まだまだだ、ということ。
    これからだ、ということをしかとうけとめて
    今できること、長くできることを。
    そして、できるならまた行きたいし、行ってほしい。
    行ってしまえば、それはもう知らない街の遠いできごとではなくなるからね。



    最後は楽しかった熊本の写真。
    阿蘇ミルク牧場は、元気に営業中。
    まだ赤ちゃんの羊のひめのちゃんが自由に歩きまわり
    大型わんちゃんは皆大人しくてイケメン。
    いろんな動物に直接触れることができて本当に気持ちがほっこりする。
    癒しもちゃんと用意してくれたお二人のお心遣いに感謝、
    と同時に熊本には観光も大事な産業。遊びに行くだけでも、とにかく足を運んでほしいなぁ。
    | 立石 義江 | 役者の日々 | 11:07 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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