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    「この世界の片隅に」
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      11月29日 ユナイテッドシネマキャナルシティ13 監督:片渕須直

      オープニング。
      セピア色がかかったような懐かしい街並みに
      とてもやさしい歌声で流れる曲。
      「かなしくてかなしくてとてもやりきれない」。
      これから語られる優しくて哀しいお話の予感。

      ふんわりした優しい色調の絵、
      アニメというより絵本をめくっているような。
      すみずみに現れる時代をあらわす風物や
      すずさんのゆったりした語り口とも似合ってて
      懐かしい昔話を読み聞かせてもらっているような感覚。
      そのゆったりとしたペースを保ちながらも厳しく胸に迫る作品だった。

      絵本のようなほんわりとしたタッチでほのぼのしているのかと思えば
      その日常が行きつく先は誰もが知っている過去の厳しい事実だったり。
      あの時代の庶民の生活のあれこれを懐かしくみせてくれたかと思えば
      時代ゆえの生きづらさや残酷な現実をつきつける映画だったり。
      いや、観ている間は「のん」のしゃべり口の心地よさもあって
      なんとなくほっこりした気持ちで観ていたけれど
      時間がたてばたつほどむしろ残酷さのきわだつ映画だと思った。
      お父さんはケガをしても助かったのに、
      なぜよりによって一番幼いはるみが犠牲になってしまったのか。
      なぜよりによって絵を描くすずさんの「右手」が奪われてしまったのか。
      淡々と描いているようでことごとく理不尽で残酷な戦争の現実。
      それを受け止めきれずとも、生きていくしかない市井の人々。

      それでいてどこかで市民を「ただの被害者」としても描いてない作品だと思った。
      はるみを失くし、自らも右手を失ったのすずは、
      あの時自分が気づくタイミングが違えば、あの時はるみと自分の位置が逆だったらと
      自分を責める。
      もちろん、あの状況ですずに非はない。
      それでも、「なぜあの時?」が大きな悲劇につながること。
      あの戦争にいたるまで、「なぜあの時?」という小さな疑問や選択が積み重ねられていったことを感じた。もちろん市民はなすすべなくその流れに呑みこまれるしかなかったんだろうけど。
      終戦を告げるラジオを聞いた時、怒っていたすずさん。
      泣き崩れたみちこさん。それぞれの「なぜあの時?」。
      軍艦は力強くかっこいいもので、焼夷弾の降る景色はともすると花火のように美しくて・・・
      絵を描くすずだからこそ、そのことの残酷さを感じていたのではないかしら。






      | 立石 義江 | 映画観る日々 | 14:37 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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