非・売れ線系ビーナス番外若手公演「彼女の消息」
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    2018年2月16日 konyaギャラリー

    10年前に大博多ホールでやった作品の再演。
    初演も観てるけど新鮮に楽しめた。
    私の記憶力がぽんこつって意味でも、今みても面白い話って意味でも。
    田坂君のチャラさとぽちのエロさに磨きがかかってた。
    田坂君は演出家として役者としての自分の使い方を心得てるし、
    ぽちには貫禄さえ感じたなぁ。
    場の空気をかえる力。

    ちょうど自分がヒカリノオトさんの監禁モチーフの作品の稽古中にみたから
    「監禁」テーマ流行りなのかしら?なんて気になったんだけど。
    「監禁」というより、女3人の人間関係、というか力関係の話だなと思った。
    支配する側とされる側。時に逆転する関係や
    男が入ることでバランスとれたり、ぶっこわれたり。
    そういう意味では、もっと年齢差のある3人でこの話やってもおもしろいかもなぁと思った。
    人と人との心理戦、みたいなところのある脚本なので
    なんか違う役者の組み合わせでまた見てみたい作品だなと。


    | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 12:51 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    パルコプロデュース「人間風車」
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      2017年10月18日 福岡市民会館

      さすがの大王脚本、河原氏演出。
      後味の悪さは鉄板だよ。
      もちろん褒め言葉ですよ。
      どこまでも不気味でどこまでもメルヘン。
      グリム童話が本当は怖い話であるように
      劇中で語られる童話たちが、どんなにおまぬけでも残酷でも、
      やっぱりどこまでも美しく「童話」なのよ。
      次々と童話のキャラ、子供にもお母さんにも早替わる役者さんたちの姿もまた楽しくて。

      人の心の弱さや醜さ。
      ねたみ、そねみ、うたがい、しかえし。
      一度火がついた暗い炎が何倍にもふくれあがっていく怖ろしさ。
      どんなに消しても、くすぶったまま、また燃え上がるのを待っている。
      決してハッピーエンドには終わらないこのメルヘンを観たら
      自分の中の暗い炎を思わずにはいられない。
      消えない炎を飼いならしながら生きていくのかしら。

      本筋とは関係ないけれど
      公園で、童話作家の平川が子供たちにおはなしをしてあげるシーン。
      本が大好きだった子供のころのことを思い出した。
      紙芝居や絵本を声にだして読むのが好きだった。
      それで、お話を書く人じゃなくて演じる人になっちゃったんだな。
      いつのまにか。

      | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 14:01 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
      劇団Hall Brothers 「となりの田中さん」
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        2018年2月2日 ぽんプラザホール

        見事な2階建のセット。
        同じアパート、同じつくりの4つの部屋が上下左右に並んでいる。
        ひとつの空間が、いろんな空間にみえるのもエンゲキの面白さなら
        目の前の4つの空間が同時に見えることで現れるものもエンゲキの面白さ。
        ましてや4世帯とも住人の苗字は田中さん。
        「同じ田中なのに」とつい比較したくなるのは人の常。
        同じつくりのそれぞれの部屋のインテリアの違いとかもよくできてんのよねー。
        比較すればするほどわからなくなる「ふつう」って何?
        自分の「ふつう」を押しつけあう人々のいやらしさ。
        自分の「ふつう」を見つけられない人の生きにくさ。


        九州戯曲賞をとった戯曲の再再演。
        私も3回めの観劇。
        たぶん初演時は作家の幸田さんが、
        キャスティングを考えながらあて書きしたんだろうなと思う。
        で、3度目の今回はかなりキャスティングをかえて。
        とは言え、幸田さんと萩原あやちゃんは同じ役。
        さすがに鉄板のこのあて書きだけは他の役者にはまかせられぬというところか。
        幸田さんは自分へのあて書きが上手だなと改めて思った。

        | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 12:57 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
        笑の内閣「ツレがウヨになりまして」
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          2018年1月28日 パピオビールーム

          まいったなぁ。
          千代に八千代に君が好き、的なカラオケのところで
          うっかりうるうるしちゃったよ。
          ネトウヨを笑い飛ばすパンチのきいた社会派かと思えば
          そんなことないです、あくまでラブコメディですとすかし、
          ラブコメの照れくさい展開もゆるいカラオケ的
          なんちゃってミュージカルではずす。
          そんな照れ屋の重ね着したような高間さんの作品には
          役者さんも照れ屋さんが多いのかしら。
          ヒロインのあおいちゃんも、自信満々のはずの赤田教授も微妙に視線がぶれる。
          あ、高間さん本人もかな。
          観客の誰とも目があってない居心地わるそな佇まい。
          それはそれで全体の空気感とあっていて
          これも狙いかと思わせる。
          ネトウヨがあまりにもおバカで簡単に論破されるところが
          笑いどころでもあり、ちょっともの足りないところでもあるかな。
          もうちょっとこんな人がでてくる怖さとかもあってもいいかな、
          もしくはコントに徹したほうがいいのかもなんて。
          いや、これは多分私の好みの問題。
          愚行権、愚かな行動をする権利ってのが妙に印象的だったな。

          | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 13:20 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
          劇団カマコル「序詩」
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            2018年1月31日 なみきスクエア

            キビるフェスのおかげで福岡にいながら釜山の劇団が観られるというのは
            なかなかありがたいものではないか。
            なみきスクエアさなんて近い、近い。

            韓国で愛されているユン・ドンジュという詩人の詩をメロディにのせてのミュージカル。
            中国吉林省の貧しい村で生まれ、日本に留学し、政治犯として逮捕され
            福岡の刑務所で死亡したユン・ドンジュ。
            過酷な状況の中で最後まで美しい言葉と柔らかい心を忘れなかった詩人の物語。
            彼が病院のベッドで想い浮かべる故郷のこと、淡い夢。
            なにしろ病院が舞台なのでミュージカルといっても踊りはあまりなく歌中心。
            美しい詩にここちよい歌声。
            その上、字幕が読めるように若干暗めの舞台となると
            ついつい睡魔に襲われたのはここだけの話。
            言い訳だけど、異国の言葉のミュージカルを楽しむにはそれもありじゃないかしら。
            言葉の響きやメロディの美しさに身を任せたら眠くなっちゃった・・・てね。
            字幕の位置が少し高くて、舞台上の役者さんから少し目を離さないと読めない。
            すっごい好みのタイプのイケメン俳優がいたのに、字幕見てるとあまり顔が見られなかったのが残念。

            別日程のシンポジウムで聞いた、代表の女性イ・チェギョンさんの
            田舎の町で観客からつくっていく劇団の苦労話も含め
            韓国演劇の力強さに感心するばかり。

            | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 12:33 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
            GIGA「ベルナルダ・アルバの家」
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              2017年10月15日 ももちパレス小ホール

              陽光あふれる明るい街並と陽気な人々。
              観光地としてのスペインはどこまでも明るいイメージなのに
              スペインの文化はその影の部分も色濃い。
              陰鬱な葬儀の鐘の音から始まる芝居。
              こちらも参列者の一人であるような演出は
              クスクスと笑いを誘い、早速に光と影を象徴するよう。

              二人のメイド役を男優が女装して演じたり、
              途中のガールズトークが修学旅行の女子高生みたいだったり、
              衣装がなにげにエロくて眼福だったり
              まさに「女たちの葬式エンタテイメント」というコピー通り。
              暗い、重い話の中にちりばめられたユーモア。
              屋敷に閉じ込められた娘たちが
              畑で働く男達をみつめるまなざしが
              それぞれに違っていたのが印象的。
              欲望は女をキラキラとさせることもできるけど
              暗い闇の中に沈めることもできる。
              後半は私の苦手な薄暗い芝居で
              睡魔と闘うのに苦労したんだけど
              これが演出家のこだわりならしかたないよな。
              はい、単なる私の得手不得手です。
              それでも朝は来る。
              最後は演出家の狙いどおり、さしてくる夜明の光に
              希望をみてしまったのだからしかたない。
              女たちの欲望は闇の中でぶつかりあい
              哀しい結末を迎えたけれど
              それでも太陽は昇る。
              そして、また私の知っている明るいスペインの風景になるのだろう。



              | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 12:35 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
              劇団きらら「プープーソング」
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                2017年12月9日 ゆめR大橋

                大人の芝居だと思った。
                一見チャラ男のレンタル彼氏業の若者とか
                電撃婚してすぐに年上の夫を亡くした天然娘とか
                若い人もでてくるのだけど、
                作家の池田さんの大人の視線が効いてる大人の芝居。
                ご近所さんに代表されるいわゆる「世間」に対してのシニカルな目もありつつ
                「世間」になじめず不器用に生きる人々への優しい視線。
                タイトルの「プープー」幼児語でうんち、
                わかっちゃいるけどやめられないダメな人って意味らしいけど
                全然ダメ人間たちじゃない。
                確かに人としての弱さに流されるダメで不器用な人たち。
                でも、弱さは優しさにも通じるのだなぁ。
                そのお互いの弱さをわかりあえるからこその
                あの4人の関係は何だか心地よさそうだけれど
                それでも「レンタル」というかりそめの関係から
                踏み込まない、そこがまた大人でいいんだな。
                それぞれに弱くてひとり。

                ラブホテルの清掃業とか、万引きGメンとか、
                取材に基づいて書かれる意外な職業というのも
                ここ数年のきららさんの恒例だけど
                「レンタル彼氏」もかなり興味深かったわ。
                お金があったら利用するかしら?
                どんな利用の仕方をしたら楽しいかしら?
                なんて思わず考えちゃったわ。
                あー、やっぱりしんさんのつくる辛いスープが食べたいかなぁ。

                | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 12:38 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                HIT! STAGE × ヒロシ軍「花の棲む街」
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                  2018年1月27日 ぽんプラザホール

                  昨年の第1回のキビるフェスではリーディング公演だった作品。
                  その上演を踏まえて、脚本をブラッシュアップ。
                  実際、去年のリーディングとは随分かわっていてびっくり。
                  人間関係が整理されて、あとだしジャンケン感がなくなったあたりは
                  すごくよくなったと思う。
                  霊的なものなのか、憑依なのか
                  人々の遺した念のようなものが渦巻く世界観は
                  作家の森さんらしい世界。
                  でも、ちょっと役者頼みの部分があって、
                  私は役者だから、役者さん達は大変だっただろうなぁなんて
                  つい考えちゃう。
                  これは、脚本というより演出のほうの課題かなぁ。

                  多分一番こだわったであろう、
                  古きよき佐世保の街の空気は感じられて
                  でもその賑わいが戦争の辛い思い出と背中あわせなことのせつなさが。
                  昨年のリーディング公演のアフタートークでも
                  佐世保の街には沖縄とはまた違う基地と米兵との関係がある、
                  みたいな話がでていたけれど、
                  米兵あってこその賑わいや造船業の盛衰。
                  冒頭のゴミのまかれた舞台に客のいないナイトクラブ。
                  置き去りにされた人だけでなく
                  街そのものの情念みたいなものを感じる舞台。
                  佐世保の夜の街を歩いてみたくなった。
                  私の大好物のほどよく寂れた路地がたくさんありそうで
                  ナイトクラブKIHARAもきっとそこにはあって。
                  って、こんな妄想をすること自体が
                  さびれた街を前提にしたい失礼な話だとは思うのだけど。

                  | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 12:23 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                  820製作所「東京の街が夢みる」
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                    2018年1月26日 なみきスクエア

                    福岡ではまず見られないタイプの硬派な物語。
                    それだけでもキビるフェスで各地の劇団を呼んでくれる意味があるというものではないか。
                    テロ、内戦、日本の分断。
                    遠くて近い物語。
                    漫画を描く少女とそれを応援する友人たち。
                    ごく普通の高校生の日常が
                    テロをきっかけに、むくむくと膨らむ差別や対立侵されていく。
                    憎しみというのはこんなに簡単に生まれ膨らんでいくものか。
                    さっきまで仲のよかった友人が、信頼していた先生が。

                    舞台には何もない。
                    素舞台から役者の身体と言葉で立ち上がる緊張と恐怖。
                    あっという間に戦争の中に投げ出されていく
                    こちらも巻き込まれていくような
                    緊張感とスピード感がみごとだと思った。
                    高校時代と戦争の中で大人になってからと
                    二人の役者が一つの役をやるのも印象的。
                    単なる時の流れだけではなく
                    時代の流れの中でかわっていく、
                    かわらざるを得ない人の姿。
                    一人だけ、大人になっても変わらない男の子がいたな。
                    彼だけが、大人になれずに戦いの中で命を落としたのか、
                    彼は実は少女の漫画の中の登場人物なのか。
                    ドロドロとした戦いの描写も
                    現実なのか、妄想なのか。漫画の中の物語なのか。
                    混沌とした物語は、それ自体内戦という混乱と重なりあわさって
                    とても面白かったので
                    最後のお花畑のような展開が少し腑に落ちなかった。
                    きれいにまとめちゃったなぁと。

                    会場をでると身を切るような厳しい寒さ。
                    憎しみも戦いも、それが近づいてきているきなくさい時代の空気も全て夢ならいいのに 。
                    何もかも悪夢と決めつけて暖かい部屋で早くビールが飲みたい。
                    でも悪夢の源はすぐそこに。
                    きっと私の心にも巣食ってる。



                    | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 09:42 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                    「かがみのかなたはたなかのなかに」
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                      2018年1月27日 北九州芸術劇場中劇場

                      お子様もご一緒に、的な案内の割にはシュールでブラック。
                      まぁ、子供はけっこうシュールなの好きだよね。
                      実際、結構笑い声がきこえてきてた。
                      鏡のあちらとこちらの「たなか」と「かなた」。
                      二人が背格好も似ているのに「けいこ」と「こいけ」の
                      あのギャップはずるくない?
                      てか、長塚さんずるいよね。
                      見ずにはいられないもの、全部持っていっちゃう(笑)。

                      「たなか」と「かなた」の見事なシンクロダンスに惚れ惚れし、
                      「けいこ」と「こいけ」のギャップに笑っているうちに
                      物語はけっこうブラックな展開。
                      人はだんだん欲張りになっていくものかしら。

                      長塚さんのこいけがミサカに見えて、妙に愛おしかったのは内緒の話。

                      | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 12:36 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |