「純心そわれ」
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    2017年7月7日 Bar Sirocco

    中村雪絵、満を持しての上京前の雪絵まつり。
    いや、ちゃんと落語も芝居もやってましたけど
    ある意味、雪絵を愛する人たちが企画し
    雪絵を愛する人たちが観客として集う
    雪絵壮行会。
    終始、和やかであたたかい空気の流れる居心地いい会場。
    あんなにバッドエンドな話ばかりなのにね。

    まずは「落語」棒鱈。
    こないだ寝過ごしでソネス落語で聞き損ねたのできけてよかったわ。
    雪絵ちゃんらしい顔芸や唄をつめこんで
    熱演しすぎて着物のすそが乱れちゃうのもご愛嬌。
    「臆病な王子様」
    熊本のベテラン劇団きららの池田さんの脚本を
    若い女の子たちが全力で。
    もちろん雪絵ちゃんが中心にいるんだけど
    その全力故にどこかすがすがしい作品に。
    その分、せつなさ感がちょっと弱まったかなぁ。
    「ハンドメイド」
    劇団ぎゃの芝居の中でも大好きな作品だったので
    最後にこれが見られたのは本当によかったな。
    てか、私はこの手のブラックファンタジーの脚本が
    一番中村雪絵らしいと思ってる。
    溢れる毒とちょっとの色気。
    こちらは、逆にベテランが魅せてくれたね。
    三原氏のぶあいそ顔は魅力的。
    出番は少ないけど、クールビューティーな木村加南子も
    ダンス担当冨田文子もおいしいね。カメオ出演的な。
    なにより木内さんの場をつくる力、そしてこのために
    来福してくれた贅沢感素敵。
    「成長記録」
    脚本家として一番はまるのが「ハンドメイド」なら
    役者としての雪絵ちゃんのはまり役はこちらかな。
    シャイで臆病でそのくせ自意識過剰。
    ん?これは?もしかして?と思わせてからの
    ラストシーンがちょっと唐突な気がするが
    まぁそのブラックさも含めて雪絵節。
    個人的にはマイクゥのキャラがお気に入り。
    あと、男の子の役をやっていたせいか
    さきよちゃんが大好きなコロさんに似てて
    ちょっとときめく。




    | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 09:46 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    あなピグモ捕獲団「樫江田四姉妹のすすめ」
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      2017年5月26日 ぽんプラザホール

      サイコーにかわいい衣装、
      サイコーにCOOLな舞台装置、
      サイコーにかっちょいいあかり、
      お話もサイコーにPOPに仕上げてくるかと思ったら、
      ちょいとボディブロウ。
      そうかー、家族かー。そうきたかーとじわじわ考えてしまう。

      やっぱり劇団は家族なのか。
      俺はこの愛しい家族=劇団を守りぬくぞ、という
      博士の物語であり、劇団主宰の宣言のようにもみえた。
      そうなぞらえると、こちとらバツイチ。
      帰る場所をなくしたフリーの役者は
      なんとか自分の足で立つしかないやね。
      ま、たまには誰かとご飯食べながらね。

      大好きなイキウメのカタルシツだったかな。
      「一緒にご飯食べればなんとかなる」って大好きなセリフがあって。
      そんなことを思い出していた。
      きっと「一緒にご飯食べれば家族にもなれる」。
      いや、家族とご飯を巡る話みたいに感想書いてるけど
      これ、一応近未来SFだっけ?

      | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 09:51 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
      清水きよしパントマイム一人芝居「幻の蝶」
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        2017年6月24日 住吉能楽堂

        確かに蝶の飛ぶのを観た。
        あの住吉能楽堂の古めかしい舞台。
        松の絵のバックのほかに何のセットがあるわけでもない。
        シンプルな照明とシンプルな衣装。
        でも、そこに蝶はとぶし
        清水さんは、少年にも鳥にもなれる。
        人間の身体って自由だなぁ。
        いや、それ以上に人間の想像力って自由だなぁ。

        観劇の二日前に、清水さんのパントマイムのWSを受けていたので
        表現者としての身体について考えながらみた。
        一日限り3時間ほどのWSで、パントマイムの基本をかじってみよう的な
        駆け足なものだったけど、清水さんはまずは丁寧に身体をほぐすことから始めた。
        必要な筋肉を鍛えるでなく、ぐいぐいストレッチするでなく、
        身体を解放するようにゆっくりとほぐしのばしていく。
        必要な動きを支える身体も大事だけど、必要な動きの邪魔をしない身体も大事なんだなと感じた。
        よけいな緊張は伝えたい表現の妨げになる。
        それは、セリフに関しても身体に関しても同じなんだな、と。
        WSで触れた清水さんの人柄とともに
        まっすぐに、表現や芸というものにむきあった舞台は
        とても心地よかった。

        | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 12:47 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
        宝塚歌劇団月組「カルーセル輪舞曲」
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          2017年5月20日 博多座

          幕があく。
          キラキラと輝く回転木馬。
          オルゴールのような音色で聞こえてくる「すみれの花咲く頃」。
          もうそれだけで泣きそうになった。
          ここには夢が、美しいものが、それらへの愛が溢れている。
          もうそれだけで。
          ほんと涙もろくなった、てか、どんだけ現実つらいんよ、
          と自分に自分でつっこんだわ。

          日本のレビュー誕生90周年と題し
          歌と踊りでつづる世界の旅。
          憧れのパリから、ミュージカルの本場ニューヨーク
          メキシコで粋な殿方とテキーラを飲んだら
          ブラジルでは陽気なサンバ。
          そして舞台は宝塚へ。
          おなじみのラインダンスに大階段。

          一部のお芝居が始まったあとで、二部のショーのみのチケットが買えると聞いて
          久しぶりの宝塚。
          ただただ美しく華やかな舞台をため息をつきながら。
          たまにはいいねぇ、こんなのも。

          | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 12:43 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
          「舞台版ドラえもん のび太とアニマル惑星」
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            2017年4月7日 キャナルシティ劇場

            ドラえもんが嫌いな日本人はいない。

            会場にはいってまずそう感じた。
            舞台の上に大きなドラえもんの顔。
            それだけでなぜかほんわりと心和むものがあるよね。
            確かに子供の頃、アニメも漫画も楽しみにしてたけど、
            積極的にグッズほしがるほどじゃなかったし
            ドラえもんに特別な思い入れはないし・・・って思ってたけど
            そんな私でもこの頬のゆるみ具合。

            正直イマドキの2.5次元ていうの?
            原作が漫画やアニメ、プロジェクションマッピングを多用
            ってちょっと抵抗ありでした。
            で、この作品のHPにある、鴻上さんのごあいさつ。
            「イギリスに一年間留学した時に、あらゆるものを舞台化するイギリス演劇人の志に感動し、そして僕自身も闘志を燃やしました。初演は9年前、国際的な演劇フェスティバルの求めに応じて創りました。とても幸福な体験で早く再演したいと思いながら気がつけば9年です。時代は変わり、日本でもマンガの舞台化が多くなりました。初演は大人も子供も楽しめる作品になったと思っています。日本の演劇人として『ドラえもん』を舞台化できる喜びを胸に、さらにパワーアップした作品をお届けします。」
            「志」という言葉にちょっとドキリとした。
            どんなものでも、舞台ならでは、というライブの作品になればそれは確かに素敵ではないか。

            で、実際見てみて。
            できちゃうんだねー、舞台でも。
            もちろんドラえもんはドラえもんだけどさ。
            動きがとってもかわいくて、中の人はどうなっているんだろう、とか
            野暮なこと考えたら怒られるんだろうけどさ。
            なんというかあの世界観がさ、そのまま。
            タケコプターで飛ぶとか、子供の頃に誰もがやりたかったことじゃない。
            最新のフライングの技術も惜しげなく使いつつ、
            一部人形にすりかわるアナログな舞台表現も、って
            その自由ないったりきたりもそれはそれでドラえもんらしい。
            何より、「舞台」というのは時間と空間を共有できるものなのだということを再認識。
            客席におりてきたキャストに精一杯手をふる子供たちの姿を見ているだけで
            泣きそうになる。
            いや、私が年とって涙もろくなっただけかもしらんけど。
            今、子供たちはドラえもんを「読んだ」「見に来た」とはベツモノの
            「ドラえもんに会いにきた」体験をしているのだ、と思ったらとても嬉しくて。
            いつの時代も、子供たちはドラえもんが大好きで
            力いっぱいドラえもんに手を振って、って、なんか平和で嬉しくて。

            開演前の客席では子供たちにクッションを配る鴻上さんのニコニコ顔も見られた。
            15分の休憩時間にはノートに何かをずっと書いてる鴻上さんの厳しい顔。
            ツアーにでてもなおダメだしとかあるのかしら?
            舞台は生ものだからね・・・


            | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 12:39 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
            風煉ダンス「まつろわぬ民」
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              2017年5月27日 座・高円寺

              町のゴミ屋敷のゴミ処理を請け負った業者とそれを指示する役所職員と議員。
              取材のTVクルー、ゴミ屋敷で捨ててしまった人形に出会った家族。
              彼らがゴミ屋敷で出会ったのは、そこに住む一人の老婆。
              そして、捨てられた人形や冷蔵庫やこたつ。
              ゴミだけどゴミじゃないモノたち・・・
              老婆とゴミたちの抵抗が
              都に攻め入られ滅びゆく蝦夷たちの闘いと重なっていく。
              ゴミじゃねぇ。ゴミじゃなぇ。
              一瞬にしてガレキと化した大切なモノたち。
              時間とともに災害を忘れ見捨てられるかのような東北の民も。
              みんなみんな。ゴミじゃない。


              新感線の「阿弖流為」ともつながる蝦夷の世界観。
              しかし、新感線よりずっと不器用で泥臭い闘いを繰り返す2時間半。
              負けても負けても彼らはまつろわぬ。
              折れず、従わず、心に炎を燃やし続ける彼らはまつろわぬ民。
              洗練された2時間の芝居にはあえてしないんだろなぁ、
              というところがまさにまつろわぬなぁ、
              そして演劇人だなぁとうれしくなるよ。(誉めてますw)
              悪役がちょっとおマヌケな感じもいいね。
              あの馬鹿のコスチュームと
              トントトトントン・トントンという太鼓のリズムが耳に残る。

              座・高円寺のタッパの高い舞台にまさにゴミの山、なセットがそびえ断ち、
              アナログに人力で山が動き、かぶりモノたちがトランスフォームする。
              この馬鹿みたいなエネルギーを野外かテント芝居で見たかった気もするけど、
              そんなところで歌姫、白崎映美さんの姿見たら、もう泣いちゃうだろうな。
              いや、劇場でも泣いてたけど。
              上々颱風の頃から映美さんは巫女のような人だと思っていた。
              神の声を伝える歌声を持つ人。音楽の神様に愛された巫女。
              東北の祭りや伝統芸能を意識した衣装や生演奏の音楽のせいか
              今回はさらに力強く、日本に伝わる八百万の神、
              森や大地や水の力を得て、自らの言葉で歌う人になっていた。
              時に神々しく、時に大地を揺るがすように、時にやんちゃに。
              彼女自身を「神」に例えるのはちょっと違うんだなぁ。
              もっと人間くさい、力強さと慈愛に満ちた蝦夷の長。
              もっともっと彼女の歌声が聞きたい、
              東北の地のどこかで東北6県ろーるショーが聞きたいという
              新たな野望が目覚めたわ。

              | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 13:40 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
              gooddaystore「リーンカネーションティーパーティー」
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                2017年3月26日 ロックハリウッド

                生まれ変わっても君に会いに行く。
                たとえそれが人の形ではなかったとしても。
                とてもロマンチックなラブストーリーなのだが
                私はなんだか哀しい気持ちになってしまった。

                作家として自分の主義を貫こうとする妻と
                なんとしても妻を守ろうとする夫。
                二人ともお互いのことを想い
                人として闘っているのに
                二人の闘い方の違いがきわだってしまう。
                愛し合うとわかりあうは違う。
                ロマンチックな気持ちより、そんな哀しい気持ちが勝ってしまう私は
                あまりに悲観的なのか・・・
                愛を信じていないのか・・・。

                雪絵ちゃんが、この脚本を、この面子でやりたかったんだろうなぁというのが
                よくわかるいい座組みだった。
                夫役の万代君は、セリフにあった通り、
                ちょっと困った顔が魅力的でなんだか助けてあげたくなったり
                ちょっといじめてやりたくなったり(笑)。
                こぎつね、さきよちゃんは、時に愛らしく、時に小生意気。
                会場や衣装もあの脚本の時代感にマッチしていた。
                ロックハリウッド、あの場所だからこその芝居、ってやってみたいなー。




                | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 23:08 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                「熱血ブラバン少女」
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                  2017年3月18日 博多座

                  オープニングから、ブラスバンドの生演奏。
                  舞台で、モデルとなったブラバンの本物の女子高生が演奏してる。
                  それだけで泣きそうになる。
                  去年「めんたいぴりり」本物の山笠が舞台に登場したらぼろ泣きしたもんなぁ。
                  涙もろくなったのは年齢か。
                  しょせん舞台はつくりもの。
                  フィクションのお話につくられたセット。
                  でもそこに、本物がいることの意味と力。
                  生の演奏の説得力。
                  彼女らも、自分たちががんばったことの結果として
                  博多座の舞台に立てるんだもの、さぞや誇らしかろう、なんて
                  思うといきなり涙腺崩壊。

                  ある高校が舞台。
                  ブラスバンドに青春をかける少女たちと応援する地元の人たち。
                  一方で、学校の買収をめぐる大人たちのきなくさい争い。
                  カギを握る、元ブラスバンド部顧問の教師がコーチとして復帰したところから
                  お話はまわり始める。
                  わかりやすい悪役といい人たちの闘い。
                  いかにも商業演劇的なわかりやすいストーリーに
                  小劇場的なくすぐりやテンポのよさは、さすがのG2さん。
                  とにかく暗転なく流れるように転換していくセットが素晴らしいし
                  お話の中にも「博多座」がいいところで登場。
                  地元民としては、これだけの劇場があることを誇らしくうれしく思う。
                  どうせなら、昨年の「めんたいぴりり」の時のように
                  もう少し地元の役者も使ってくれたらよかったのにな。
                  個人的にはツレちゃんこと鳳蘭さんの校長先生の関西弁がツボ。
                  私にとっては永遠の「ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン」が
                  濃い大阪のおばちゃんにとして関西弁トーク。
                  華丸さんとのコンビネーションが軽快で楽しくて
                  いつまでも聞いていたかったなー。




                  | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 22:40 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                  北九州芸術劇場プロデュース「しなやかみわたす穴は森は雨」
                  0
                    2017年3月2日 北九州芸術劇場小劇場

                    劇場に入ってまずは斬新な舞台に一瞬ギョッとしたけど、
                    始まってしまえば、出はけや転換がしやすく、
                    想像力の働くよい舞台。
                    いつも平均台の上にいるようで役者さんはたいへんだったろうな。
                    群像劇としてのバランスのよさに、
                    ノゾエさんのリーディングに出演させてもらった時のことを思い出す。
                    演出家という人種が皆そうなのかわからないけれど
                    鋭い観察力というか、人を生かす力。

                    「しなやか見渡す穴は森は雨」。
                    このタイトルを出演者全員の頭文字からとってつくったというだけあって
                    16人を過不足なく生かしながら
                    あそことここがつながったり、重なったり、時空を超えたり。
                    16人全員を生かすことで、誰かに、いや誰もに思い入れできるよくできた群像劇。
                    同じプロデュース公演で好評だった「彼の地」が
                    北九州という地面に足の着いたリアルな群像劇なら、
                    こちらは、北九州の土地からジャンプしてどこまでも飛べそうな物語。
                    いやいや、いくら北九州だからってそこまで「修羅の国」押しでいくかー?
                    という突っ込みもないではないが、
                    それも含めて心地いいジャンプじゃないかしら。
                    女子中学生コンビがキラキラと眩しかったなー。


                    | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 23:14 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                    「お勢登場」
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                      2017年3月1日 福岡市民会館

                      さすが今をときめく黒木華。
                      顔ちっちゃいし、かわいいし、
                      何より、イケメン・ベテラン引き連れての貫禄さえある座長っぷり。
                      個人的には昨年、くだんの件で初めて観られた寺十吾さんを堪能できたのが嬉しい限り。
                      物語は江戸川乱歩の短編数本をつなぎあわせて、
                      というより、一度ほどいて編みなおしたような入れ子構造。
                      イメージの重なる役、正反対の役を自在に一人数役をこなす役者たち。
                      もともとの乱歩の不思議な世界観とあいまって
                      なんとも心地よく物語に翻弄された感。
                      「押絵と旅する男」は川島監督の作品を思い出して
                      また見たくなったなぁ。

                      | 立石 義江 | 芝居観る日々 | 12:43 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |